和菓子で季節を楽しむ
おやつは小さな和菓子をひとつ、あるいは焼き菓子をひとつ。ダイエットのためではありませんが、3時のおやつはそれくらいの量がちょうどよくなりました。
量より質へとおやつは変換中
スナック菓子を食べなくなり、コンビニスイーツからも遠ざかり、しかしナッツやドライフルーツばかりでは物足りないおやつの時間。質より量の若い時期を過ぎ、大人らしく量より質への変換中です。
午後になり、どうしてもダレてしまいがちな心と体に力を足してくれるのは、温かいお茶と甘いお菓子。おにぎりやスープなどの軽食でもおなかは満ち足りますが、お菓子とお茶を口にした時の何とも言えない安らぎには、食事とはまた別の幸福感があります。
お気に入りの和菓子屋がなくなってしまった
季節を感じる素材やデザインが楽しめるのも、和菓子の好きなところ。栗の季節になると、栗が入ったまんじゅうやどら焼き、羊羹が登場するし、栗をかたどったお菓子も店頭に並びます。それを見て「秋が深まったな」と気づいたり、お菓子を口にしながら物思いにふけることができます。
ただ残念なのは、外で和菓子が食べられる場所が少ないこと。和菓子より、やはりケーキやパフェの方が人気なのでしょうし、カフェや喫茶店も、コーヒーを飲む前提でメニューがつくられているので、和菓子はあまり似合わない。
もうひとつ残念なのは、和菓子店の数が減っていること。タウンページのデータベースによると、和菓子店の登録件数は、この10年で14,674店から11,442件と減少しています。以前取材したことのある、お気に入りの和菓子店もなくなってしまい、がっかり。目立つのはチェーン店ばかりです。
価値を下げずに良さを広めたい
少し前、文部科学省の検定意見を踏まえ、出版社が道徳教科書の記述を「パン屋」から「和菓子屋」に書き換え、議論となったことがありました。和菓子は大好きですが、こういうゴリ押しはかえって和菓子の価値を下げることになるので歓迎できません。
タレントもそうですが、ゴリ押しは「売れない」「価値がない」「魅力がない」という印象を植え付けてしまいます。無名の個人がYouTubeやInstagramで人気を得ることができる時代なのに、お金をかけてメディアにジャンジャン登場させている人物が売れないという事実をつくってしまうと、タレントの価値が大きく損なわれます。
おいしさや美しさや豊かな地域性など、和菓子の価値を再発見するこの頃。本来の価値を損なわずに、もっとこの良さを多くの人に知ってほしいな。取りあえず、横浜近辺の和菓子屋探訪でもはじめてみましょうか。
【今日の暮らし学び直し】
おやつにきれいな和菓子をひとつだけ。幸福感と季節感が味わえます。